これからドッグセラピストとして長く活動を続けるためには、ぶれない芯となる「軸」が必要です。
これがないと、誰かからなにか言われたり、流行に流されたり、判断に迷ったときに自分を見失って、望まない結果につながってしまう可能性があるからです。

今後どんな事業展開をしていくか(どんなホームページを持つべきか)にも大きく影響する部分です。

この章で、あなたにとって大切な軸となる価値観を見つけていきましょう。

あなたが提供するサービスはなんですか?

まずはいくつかの質問に答えていきます。
紙とペンを用意して取り組んでみてください。

質問1 あなたが提供するサービスはなんですか?

まずはシンプルに答えてみましょう。
例:アロママッサージです。
例:出張で行う犬の整体施術です。

質問2 これまでの人生で、言われて嬉しかった言葉は?

例:話が面白くて時間があっという間でした
例:いつもおしゃれでセンスがいいですね
例:頼りになります、あなたに相談してよかった
例:仕事が速くて助かります
例:さすが!目の付け所が違いますね

質問3 これまで楽しい、嬉しい、好きだと思ったことを思いつく限り挙げてください。

最低5~10個は捻り出してみてほしいです!

例:本を読むこと
例:楽器の演奏をすること
例:カメラを持って山に行き野鳥を撮影すること
例:学生時代の部活動でキャプテンに抜擢されたこと
例:仲間と集まった場で料理をふるまうこと
例:営業成績が認められて昇進したこと

質問4 それらに共通点はありますか?

質問3で挙げた内容を自分なりに分類してみてください。
似通った部分を洗い出して、あなたが幸せを感じる条件や傾向を探してみてください。

例えばひとりで楽しむ趣味が多いなら「ひとりでいると自分らしく心穏やかにいられる」という条件が見つかります。
聞こえのいい回答である必要はありません。
むしろ自分の深い部分にある、むき出しの本心を見つけたいです。

例:複数人でいるときが多い
例:自分のセンスが生かせる瞬間に幸せを感じやすい
例:頼られて誇らしいという感情を求めている
例:ライバルに勝つことで誰かに認められるシチュエーションが好き

質問5 今後活動するうえで、質問2の言葉をもらったり、質問4の状況になるのはどんなときだと思いますか?

なるべく具体的にイメージしてみてください。

例:お客さまに満足いただき感謝されたとき
例:あなただからお願いしたいんだ、と言われたとき
例:仲間や友達やフォロワーが増えて世界が広がったとき
例:施術後すぐ次の予約をもらえたとき
例:自分の活躍が仲間内で話題になっていると知ったとき

質問6 これまで経験してきた中で、苦しかった瞬間を思いつく限り書き出してください。

最低5個は捻り出してみてほしいです!

例:受験に失敗して親にがっかりされた
例:人間関係に悩み鬱になった
例:大切な本番で失敗してしまった

質問7 それらに共通点はありますか?

そのとき抱いた感情や状況に共通点はありませんか?

例:意見を言えず我慢していた
例:人の顔色をうかがっていた
例:期待に応えられない自分が悔しかった
例:性格が合わない人と一緒にいた
例:比較されたり競争することが苦手

質問8 今後活動する中で、質問7はどんなときに起きそうですか?

例:従業員を雇ったり複数人で仕事するとき
例:苦手な性格のお客さまと会話を続けたとき
例:ライバル店の動向が気になってしまったとき
例:自分の店に悪いレビューがついたとき
例:変わり映えのしない毎日を過ごしたとき

お疲れさまでした。
質問は以上です!

これらの質問から、あなたにとって重要な価値観が見えてきます。
ここで言語化した「嬉しい」「苦しい」は、あなたの価値観です。

「嬉しい」をたくさん求めていくこと。
「苦しい」をなるべく少なくすること。
これが、今後長く活動を続けるための重要なポイントとなります。

ここで見つけた価値観を軸にするとこんなときに役立ちます。

「SNSで発信した方がいいのは知ってるけど苦手…」と迷ったとき
 → それでも多くのお客さんから”ありがとう”って言われたいから頑張る!
 → ストレスがないのが最優先なのでやらない!

「一緒に働きたい」と言われたとき
 → ひとりで仕事した方が性に合ってるので断る
 → 人脈が広がることが最優先なので話を聞いてみる

ビジネス的にはこっちの方がいいけど…
最近これが流行ってるみたいだけど…

そんな悩みが発生したとき、自分の軸が役に立ちます。

それでは最後に、質問です。

質問 あなたが提供するサービスはなんですか?

質問1と同じ質問ですが、今度は見つけた価値観をプラスして具体的に答えてみてください。
「ここは譲れない」というような表立って言えないようなことでも大丈夫です。
自分基準で心のままにお答えください。

例:「あなたに会いたくてまた来ちゃいました」と言われる丁寧な接客
例:「あなたに任せてよかった」と言われるドッグマッサージ
例:週休4日でマイペースに運営するプライベートサロン
例:苦手なタイプのお客さんが来ないよう完全紹介制の整体院
例:大勢でワイワイ集まって楽しむ飼い主さん向けセミナー

上の例のような短文でなく、もっと長文で具体的であるとさらに良いです。

今後の作業では、理想のお客さま像を描いていくワークを行っていきます。
このワークをしていると無意識のうちに自分をお客さまに寄せてしまうことがあります。
かっこいい理想像をつくりすぎてしまうのです。

自分の本心と異なる行動を取ると「好きなことをしているはずなのに、ストレスを感じる…」となってしまいます。
そんなとき、この価値観を思い出してください。

ドッグセラピストとして活動していく中で迷ったとき、自分にとって「どうすれば嬉しい状況を作れるか」「欲しい言葉をもらえるか」または「なにか嫌いなことをしていないか」「どうすれば苦しい条件を回避できるか」を大切に考えてみてください。