このページで解説すること
SEOとは
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、検索エンジン最適化という意味です。
このサイトを見に来るお客さまは、なんらかの知りたい情報があって調べに来ています。
そんな閲覧者の気持ちを汲み取ってホームページを制作・改善・更新していくことが「SEO」です。
ここがよく間違えられがちなポイントです。
自分が見てほしい情報を見てもらうための施策ではありません。
あくまで、ホームページを見に来るユーザーにとって親切であるための施策です。
イメージしやすいようたとえ話をします。
もし、あなたが果物屋さんだったとして、お店には質のいい商品を並べたいですよね。
特にお客さまの目に入りやすい店頭には、最も新鮮で質のいい商品を置きたいです。
これは検索エンジン側も同じなのです。
Googleなどの検索エンジンにとって、お客さまは検索を利用する閲覧者。
商品は私たちが作るホームページなどのウェブサイトです。
検索エンジン(お店)は閲覧者(お客さま)にとって有益な情報を提供するページ(質のいい商品)を目立つところに置きたいのです。
だから、ホームページに順位を付けます。
これが検索上位表示の考え方です。
あくまで「検索を利用するお客さまにとって」有益かどうかがポイントです。
ホームページの順位は、検索エンジンの巡回プログラム(ロボット)によって判断されます。
自分のホームページを上位表示させることがSEOではありません。結果として検索の上位に表示される、という流れであることを理解しておいてください。
ここでもターゲット設定で描いたペルソナを活用することになります。
ペルソナが実際にご自身のホームページを使うことをイメージして、使いやすくなるよう考えていくことになるからです。
なお、検索エンジンごとに評価の基準は異なるのですが、2023年時点で最も利用者の多いブラウザということで、本講座ではGoogle検索を想定した解説をしていきます。
SEO対策とは
SEOのために行う具体的な方法を「SEO対策」と呼びます。
SEO対策は、サイトの内容が適切であることを検索エンジン側に正しく伝えて評価されることが目的です。
インターネット上を巡回してサイトの価値を判断し順序付けするロボット(クローラー)は、自動で働くプログラムです。人間が目視でサイトの内容を確認しているわけではありません。だから、そのサイトに書かれた内容の信ぴょう性まで調査して確認できるわけではありません。
ではどうやって価値を判断しているのでしょう。
その具体的な内容についてはGoogleが検索表示ルールのマニュアルを公開しています。
専門的で分かりにくいと思うので、対策方法を7つこのページでご紹介します。
また注意してほしいのは、このルールは更新されるということです。
「前まではこの方法がSEO対策として有効だったけど、今は効かない」ということはよくあります。
「最近急に検索上位に表示されなくなった」ということが起きた場合、新しく変わった判断基準に対応しきれていないことが考えられます。
このように、SEO対策は一度行ったからといって安心できず、常に情報収集して更新し続ける必要があります。
そしてもうひとつ大事な点です。
SEO対策を行ったからといって、即座に効果が出るものではありません。
効果が出るのは4か月~1年後、とGoogleより公式回答されています。
ホームページで集客できるようになるのは、うまく設定できたとして半年は先とご認識ください。
気長にホームページを育てていきましょう。
なぜ検索上位表示は難しいのか
SEOの仕組みが分かったところで、では検索上位表示のために何をしなければならないかをまとめます。
上位表示されるには、検索エンジン側に評価が高いと判断される条件を満たしていることが重要です。
<条件の例>
・豊富な情報量があり、正確な内容であること
・掲載されている情報が信頼性が高いと認められるもの
・閲覧者が知りたい情報に迷わずたどり着ける仕組みになっていること
・閲覧者にとって使いやすい構成のサイトであること
・クローラーが読み取りやすいサイト構成であること
ざっくり紹介すると、以上のような条件があります。
これらの条件を満たすというのはどんな労力が発生するかを解説します。
上位表示が難しい理由その1
良質な情報が記載されたページを量産することで、ライバルを蹴落とす必要があるためです。
Webサイトには豊富な情報量が求められます。
簡単に言うとサイトに含まれるページ数、コンテンツ量です。
自分が狙いたいキーワードでトップに出てくるライバルサイトは、どのくらいの情報量を持っていますか?
WordPressがSEOに強い理由の一つが、ブログという形でページを量産できることです。
対してペライチやJimdoは、有料でないとページ数を増やせなかったり、カテゴリー分けして管理することもできないので、ページ数の多いホームページを制作することは不向きです。
じゃあWordpressでブログを書けば問題ないかと言われたら、そうではありません。
以前はよく、ブログは100記事書けとか、ブログ1記事の文字数は2,000字以上などと言われてきました。
残念ながら今は違います。Googleは2023年現在、コンテンツ量は多ければ多いほど評価を高くする傾向にあるようです。
なので、ライバルサイトが2,000文字のブログ記事を100本持っているのだとしたら、あなたは3,000文字のブログ記事を200本書くべきということです。
これはライバルの状況よって違います。
今ならば、1,000文字のブログを20本書けば勝てる状況かもしれません。
でももし今後、企業の参入などで強力なサイトが10,000文字のブログを300本書いてきたら、すぐに追い抜かれてしまうのです。そういう世界なのです。
もちろんブランディングをずらしてライバルと競合しないようにするなどの戦略は取れるので、真っ向勝負する必要はないですが、ブログで戦おうとすると意外と大変だよ、というのが難しい理由その1です。
上位表示が難しい理由その2
まったくのゼロからスタートの場合、信頼性もゼロからのスタートだからです。
あなたのホームページに記載された文言は、そのくらい信頼性がありますか?
これは後述する外部施策を頑張れば、後から獲得することができます。
ただし、最初からこれを満たしている場合もあります。
それが、獣医師などの国家資格を持っているなど、社会的な権威性を持っている人です。
このような実績や経歴は、クローラーから評価されやすいようです。
また、すでに信頼性が高いと評価されたホームページを持っている人が、関連するドメインを使って新設した姉妹サイトのようなホームページを作った場合、ドメインパワーによって信頼性を獲得できます。
企業とかはこれです。
上位表示が難しい理由その3
知識やスキルがあるほど有利だからです。
「閲覧者にとって使いやすい」を満たそうとすると、以下のようなスキルが関係してきます。
・文章を読んだ人をファンにするライティング能力。
・おもわず次の記事を見たくなる秀逸な記事のタイトル(キャッチコピー)
・目を引く画像のデザイン力。
・クローラーにとって最適なサイト構成を組むプログラミング知識。
・ユーザーの導線を最適化する分析力。
・それらを管理しPDCAサイクルを回すマーケッター。
企業のホームページが強いわけです。
それぞれ専門分野の職人がいるでしょうからね。
個人でホームページを運営しようということは、これらをひとりで行うことになります。
上を目指そうとするならば、勉強することがたくさんあるということです。
もし検索上位表示されたいキーワードがあり、すでに強いライバルがいた場合、どのくらい努力すれば勝てそうか考える必要があります。
相手も自分と同じか、それ以上の努力をしているかもしれないからです。
企業のサイトが強い理由は、もう言わなくても分かるかと思います。
動物病院なども権威性が高く、発信内容が少なかったとしても強力です。
ホームページは育てるものです。
コツコツ情報量を増やし、信頼性を高めて、1年たってやっと勝負開始というイメージです。
ホームページにどの程度、時間と労力をかけられますか?
どのくらい覚悟がありますか?
このような理由から、本気で検索上位表示を狙おうとするなら難しいということです。
具体的なSEO対策
上述のとおりSEO対策はいろいろと難しいポイントがあります。
ただし、業界によってはまだチャンスがあります。
犬の整体など、まさにそうです。
そしてSEO対策はたくさんの方法があります。
その中でも取り入れやすい基本的な方法を紹介するので、取り入れられそうなところから試してみてください!
なお、ペライチやJimdoがSEOに弱い理由が、シンプルゆえ細かな設定ができないことにあります。
SEO対策に関する設定を自由に編集できなかったり、ページの量産や整理が容易でないため、どうしても情報量や操作性でWordpressには負けてしまうのです。
SEO対策の中でも、専門的な知識がなくてもすぐできる方法をいくつかご紹介します。
大きく分けて3つに分類されます。
- ページ制作(コンテンツ施策)
- サイトの内部施策
- サイトの外部施策
ページ制作(コンテンツ施策)
お客さまが求めている情報を掲載すること。
それに加えて内容をクローラーに伝えるため、ホームページを構成するページの中身を整理することです。
掲載する内容が正確な情報であることは大前提ですが、それをプログラム側に正しく読み取ってもらう必要があるということです。
①キーワードを活用する
ページごとにキーワードを設定します。
SEOを少しでもご存知の方は「SEO=キーワード」のような認識があるかと思います。
キーワードというのは、お客さまの目を引く言葉や、お客さまが検索時に使う言葉です。
キーワードとページの中身が合っているほど評価が高まります。
例えば「犬 整体」で調べたのに「犬の食育」に関する情報が検索されてしまったらお客さまは困りますよね。
冒頭でお伝えした例でいうなら、果物屋さんで魚を売っているようなものです。
そういったことが無いよう、お客さまが求めているキーワードに対してページの内容がふさわしいか、クローラーからチェックされています。
閲覧者が求める回答と一致した情報を取り扱うことが重要です。
キーワードは以下のような部分に盛りこみます。
- ページタイトル
- 説明文
- 見出し
- 本文
- 画像(alt)
- URL(URLそのもの/アンカーテキスト)
■ページタイトルにキーワードを入れる
検索すると、ページは下の画像のような形で表示されます。
下の画像の場合、青文字がページタイトル。その下のグレーの文字が説明文です。
ページを作る際にタイトルを付けていると思いますが、これは厳密にはページタイトルではありません(後述)。Wordpressの場合、ページタイトルはデフォルトで、「ページ名+サイト名」となります。
上の画像でいうと、「ページ名:HOME」+「サイト名:開業スタート~」です。
この欄は「30文字以内」が良いとされています。それ以上長いと、検索結果に表示されたとき、表示が見切れてしまうためです。
<以下ページ作成に関するGoogleの公式回答>
・タイトルは短く簡潔にする
・キーワードを含める
・際立たせる(ほかのページと重複させない)
ページタイトルはSEO対策としてとても強力ですが、このとき絶対にやってはいけないのが、強いキーワード設定をしたいがために情報量の少ないページを量産することです。
信頼できないサイトと判断されたり、最悪の場合ペナルティが発生します。
■ページの説明文にキーワードを入れる
WordPressでは固定ページ/投稿ページの編集画面で右側に表示されるメニューの中の「抜粋」という欄がここに該当します。
「80文字以内」が良いとされています。それ以上は見切れて読めないためです。
■見出しにキーワードを入れる
固定ページやブログの本文を作成するとき、ぜひ見出しブロックを活用してください。
ページ内が整理整頓されることで、見る側はもちろん、クローラーにとってもページ構成を把握しやすくなります。
見出しの使い方のポイントは後述します。
■本文にキーワードを入れる
ページの本文をキーワードを盛りこんだ文章にします。
ただし、無理に入れようとして過剰に使うことはないようにしてください。あくまで質の高いページの条件は「ユーザーにとって分かりやすい」という点だからです。
同じ言葉を連呼していては、分かりやすい文章にはなりません。
■画像に名前をつける
これについては別途解説のページをご用意しました。
こちらをご確認ください。
■URLにキーワードを入れる
①URLのパーマリンクの英語をキーワードにする
URLの末尾はページごとに設定した文字列になります。ここで使うのは英語ですが、キーワード、もしくはキーワードに関連した文字列にすることができます。
②URLにアンカーテキストを入れる
(例)講座の詳細はこちら
この例の場合「詳細はこちら」という言葉がアンカーテキストです。
URLをそのまま設置するのではなく、テキストにリンクを設定することで、URLにキーワードを入れることができます。
内部施策
ホームページの内部の構造に関する設定です。
プログラミングの知識など専門的な要素が多い部分のため、初心者にもできる方法をご紹介します。
主にクローラー(自動プログラム)に対し、ホームページが整理整頓されていますよ、ユーザーに新設な設計ですよ、を伝えます。
- 見出し
- 内部リンク
- スマホで使ったときに便利なページ構成になっている(サイト設計)
- ページ表示スピードの改善
②見出しのタグを正しく使う
見出しブロックを挿入したとき、「H2」「H3」「H4」が選択でき、見出しの大きさが変わることにお気づきでしょうか。
これらはサイズを変えるためのものではなく、それぞれの親子関係を設定するものです。
ページの最上部に表示されるページタイトル(厳密には「H1見出し」)の中に「H2見出し」があり、さらにその中に「H3見出し」があり…という階層にするのが正しい使い方です。
このようになっていなくても表示上は問題ないですが、ページが整理されていると読み取られます。余裕があったら修正してみてください。
③内部リンクを設定する
同じホームページ内で、別ページのリンクを貼るのが内部リンクです。
ちょうどこのページの上部にも、このページ内を上下するためのページ内リンクが置いてあります。
今見ているページがホームページ内のどの階層か分かるパンくずリスト(画像の赤枠部分)や、次の記事を読むのようなボタンなども内部リンクです。
これがあると、ユーザーにとって親切ですよね。
④スマホで使ったときに便利なページ設計
今の時代はスマホの利用率が高く、おそらく皆さんのホームページのアクセスも、スマホ経由が多くなると思われます。
Googleもスマホで見たときのページ構成を重視しており、スマホサイズでの表示をもとに検索順位を決定する「モバイルファーストインデックス」に方針を切り替えました。
どれだけPCでの見栄えがよくてもスマホでの表示崩れがあると評価は下がります。注意しましょう!
⑤ページ表示スピードの改善
ホームページをクリックしたとき、何秒でページ内容が表示されるでしょうか?
アニメーションが豊富で動きのあるホームページは、目を引くし魅力的で面白いです。けれど、閲覧者側のPCやスマホが古い機種だったり、通信環境が悪かったりすると、データ容量の大きなホームページは開くまでに時間がかかったり、正しく表示されないことがあります。
Googleは、ページの表示速度を重視しています。
<ホームページが重くなる要因>
・データサイズの大きい画像をたくさん使っている
・データサイズの大きい動画を直接埋め込んでいる
・スライダーなどアニメーションを多用している
・プラグインでいろんな機能を追加している
Google公式の、ページ表示スピードを測定してくれるサービスがあります。ご自身のホームページのURLを入れるだけで計測できます。
閲覧データが少ないと正確な数字は表示されませんが、どこを改善すべきかも表示されるので、試してみても面白いと思います!
Largest Contentful Paint(LCP)の数字が表示スピードです。
理想は「2.5秒以内」なのだそうです。
≫ ページ速度を測定してみる
外部施策
人間は、よい情報を知ると拡散したくなるという本能があります。
拡散される情報は有用性が高く、信頼できると判断されます。
⑥被リンクを増やす
ホームページのURLやページを、閲覧した誰かがどこかに貼り付けて拡散してもらうことです。
メディアに掲載されたり、誰かのブログで記事を引用されたり、SNSにリンクをつけた投稿(自分以外が発信した投稿のみ有効)が拡散されることなどが該当します。
「不特定多数の第三者がおすすめする情報」=「良い情報」と判断され、評価が高まります。
効果は強力ですが当然簡単ではなく、見やすかったり、シェアしたくなる情報が記載されてあることが重要です。
なお、被リンクの数だけ増やそうとして無理に「不自然なリンク」を量産すると、逆に評価が下がるそうです。
⑦サイテーションを増やす
URLは貼らないまでも、お店の名前があちこちで使われることで「インターネット上に頻繁に登場する文字列」と認識され、「いろんな人の話に登場する」=「信頼性」がある言葉と認識されます。
SEO対策はいきなり細かくすべてやろうとすると疲れてしまいます。
そこに時間をかけすぎるよりは、まずは正確にキーワードを選定して、内容の濃いページを作ることを優先してみてください。
SEO対策は結果が出るまでに時間がかかるものですし、流動的なものです。今は有効な手段も1年後には無効になっている可能性もあります。
まずはSEO対策というものがどんなものか知って、取り入れられそうなものから慣れていければよいかなと思います!