集客の手段としてSNSの活用はとってもおすすめです。
SNSをうまく活用できると、ホームページが無くてもSNSだけで集客することも可能です。

ただし、使い方を間違えてしまうといろんな危険があります。

この記事では、フォロワー10,000人近くの企業SNSアカウントの担当者(いわゆる中の人)だった私が、公式アカウントを運用するうえでの注意点をお伝えしたいと思います!

公式アカウントは、個人アカウントとは別物です!

普段からSNSを利用していますか?
利用しているなら、特に知っておいてほしいことがあります。
それは、お店の公式アカウントと、普段使っている個人アカウントでは、意識を変える必要があるということです。

公式アカウントは、

  • 発信の責任が違います。
  • 求められる発信のが違います。
  • 発信を見ている人の目的が違います。

公式アカウントに求められるのは「価値の提供」です

なぜSNSで発信をしようと思っていますか?
もちろん、集客のためだとは思いますが、それは自分側の都合です。

SNSで発信する内容は「ペルソナの悩みが解消される価値の提供」です。
これを忘れないでください。
(むしろ後述のこと全部忘れてもいいので、ここだけ覚えてほしいです!)

「フォロワーを増やす!集客!!」
ということに意識が持っていかれがちですが、違うのです。

・ペルソナに自分の存在を知ってもらうためです。
・ペルソナに自分を頼ってもらうためです。
・ペルソナの悩みを解決するためです。

「私はあなたの悩みを解決する方法を知っています!」を伝えるために発信するんです。

「この人に頼みたい…!」
そう思ってくれる人と出会ってはじめて集客達成となります。

フォロワーを増やすことは、集客ではありません。

これを忘れると、相互フォローで見た目の数だけ増やし、お客さまにならない層とばかり繋がって、仲良くなった特定の相手とばかりメッセージを送り合って、フォロワーも増えたしコメントも増えたけど、予約がぜんぜん来ない…!となります。
届けたい相手(ペルソナ)に情報が届いていないという状態です。

いつも同じメンバーで話している輪の中に、新しい人は入りにくいですよね。特定の人とだけ仲良くなると小さなコミュニティができます。

浅く深くを求める人はこの方法でもOKですが、拡散性を求める場合は、コメントのやり取りひとつにも注意しましょう。

そういうわけで
「今日のランチ♪おいしかった!」みたいな投稿は
公式アカウントでは非推奨です…!!!

思想の発信は要注意

自分の考え方を発信することはよいと思います。
ただし、自分と違う思想を持っている人がいることを忘れないでください。

個人の発信なら、匿名の誰かの独り言、と無視されます。
これを公式アカウントで発信すると、発言に責任が生まれます。

数人でお店を経営している場合、その発信はお店の総意という意味になります。
一度発信してしまうと訂正は難しくなります。

思想の発信は、お客さまを選別することになります。

例えば、
「首輪は危険!ハーネスは安全!」と発信した場合。
首輪を使っている人はあなたのお客さまではなくなります。
なんなら敵になるかもしれません。
表現しだいでは問題ない言い方もできるので、伝え方にはご注意ください。

また、自分の主張をするために既存の考えに反論したり、インパクトあるキャッチコピーを入れたくて極端な主張をすることがあります。

これを極端にやりすぎると、意図せず誰かを否定する結果に繋がり、敵を作ってしまうことがあります。残念ながら、あげあしを取ろうとする人は一定数存在します。炎上商法を狙っているわけではないなら、リスクの高い発信にはご注意ください。

これが仕事に関する思想であるならまだ良いです。
いろんな選択肢があるのは良いことで、それらの価値を判断するのはお客様だからです。

一番注意すべきなのが、仕事に関係ない思想の発信です。

自分の人間性を知ってほしい気持ちは分かりますが、センシティブな内容ほど、無駄に敵を作ってしまうことがあります。

例えば政治に関する主張とか、芸能人のスキャンダルに対する感想だとか、コロナ対策に対する意見だとか。たとえ自分が発信したものでなくても、「いいね」を付けただけで賛同者と判断されます。

もちろん、自分と価値観の近いお客さまを選別する意味で、戦略的に狭めているならOKですが、自分の承認欲求のままに公式アカウントを利用しないようご注意ください。

公式アカウントに求められることは、お客さまに寄り添って価値を提供することです。個人の意見というのは少なくとも「お客さまに寄り添った」発言ではないですよね。発言はブランドイメージに直結するということを、忘れないようにしましょう。

それ、商用利用OKですか?

・お客さまが来店時に撮影した画像を無許可で使う
・ネットの画像検索で出てきた画像を保存して使う
・CDの音楽を動画で使う

もしこれをしていたら、気を付けてください。

例えば、ディズニーは著作権に厳しくて、ちょっと動画のBGMに使っただけでそのYouTube動画が消される、という都市伝説を聞いたことがあるかもしれません。
あれは都市伝説じゃなくて、本当です。

ディズニーに限らず、YouTubeやインスタ、TikTokなどでオリジナル動画を作る際は、CDやダウンロード販売の音源は使わないようにしましょう。(商用フリー音源だったり、アプリ内で用意されている音楽はOKな場合があります)

肖像権、著作権などの権利の問題について少しでも意識を持っておくことは、自分の身を守ることに繋がります。

例えば、
自社商品の撮影を東京タワーが映りこむ場所で行う場合、事前に株式会社TOKYO TOWERとのライセンス契約が必要だったりします。

例えば、
公園で撮影した愛犬の画像をお店のメインビジュアルに使った場合。実は公園での商用利用の撮影も使用料が必要な場合が多いです。宣伝用の写真なので商用利用に当たります。(三脚を立てなければOKとか結構ルールが違っておもしろいので、「お近くの公園の名前」+「撮影許可」で検索してみてください)

パン屋さんにアンパンマンのパンが売られていますよね。
あれはアウトなのですが、正直そこまで厳密に守られていないのが事実です。

じゃあどこまで厳密にやるんだという話ですが、露骨に著作物の力によって利益を生み出したり、権利者側に不都合がない限りは黙認されているのが現状です。
(むしろ宣伝効果が働いて権利者側にメリットがある場合も多いので)

訴えて勝ち得る利益より、取り締まったことで「心が狭い」と思われ権利者側のイメージダウンに繋がるリスクが高いことも理由のひとつです。

もちろん「じゃあ大丈夫なんじゃん!」という話ではないです。

ただ、著作権違反ダメ絶対!という気持ちを持ちすぎると、「あの人の投稿は違反してる!」「私は著作権を守ってるのにずるい!」という気持ちが生まれ、ちょっと辛い思いをします。

ちゃんと権利について念頭に置いたうえで、リスクが高いことは避けるようご自身で判断してみてください。

今後、知名度をアップさせて大々的にやっていくんだ!というつもりなら、なるべくクリーンな意識を持っていくことは大切だと思います。

おまけ:自分の身を守る権利の話

自分が権利者になる場合

ここからは余談ですが、個人的に権利で気を付けるべきと思っているのが、自分が権利者になる場合です。

お店のイメージキャラクターの作成を依頼して納品後、クリエイターがそのイラストやデザインを転用して販売していた、などのトラブルが起こることがあります。
(これは権利の譲渡が契約にないならクリエイター側に権利が残ります)

音楽素材なども同様で、自分のYouTubeチャンネルのテーマ曲を作ってもらい、それを動画以外のあちこちで使っていたら「それは契約外の用途だから使用するたびにライセンス料払って」と言われるなどのトラブルが起こることがあります。また、その曲がフリー音源として配布されていた、なんてトラブルもあります。(契約時に範囲をよく確認することで防げます)

外部のクリエイターに何かを発注した場合、納品後の権利がどちらにあるか、その有効範囲まで必ず確認しておきましょう。

特許と商標

こちらもおまけです。
特許や商標についても知っておいて損がないです。

新商品の開発などですでに特許登録されている技術を用いた場合、相手から訴えられる危険があります。
特許情報プラットフォームから登録されている特許を確認できます。

もしすでに登録されていても、諦めるのは早いこともあります。
特許は周辺技術の特許も合わせて取得していないと、抜け道があることが多いためです。特許の適応範囲を確認することで開発が問題ないと判断される場合もあるので、特許のプロに相談しましょう。

一番ありそうなのは、「商品名」や「店名」による商標侵害かもしれません。
他のお店で商標登録されている名前をサービス名に使ってしまった場合、相手から訴えられる可能性があります。逆に、絶対に使われたくないワードは商標登録するのも方法のひとつです。費用と審査が必要ですが、誰でも出願することは可能です。
こちらも特許情報プラットフォームから確認できます。
事業をスタートする前に、自分の店名で検索しておくと安心ですよ!